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| 『名古屋でおめにかかったときの、素敵な写真をどうもありがとう。また、お逢いできる日をたのしみにしています』ディック・ブルーナさんから親しくおたよりをいただきました。グランドールの宝物。 |
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ディック・ブルーナさんの「こどもがはじめてであう絵本」の世界に感動し、その絵本の世界を、あかちゃんのお部屋のインテリアとして取り入れ、日本のお母さんやこどもたちに「より豊かで楽しい暮らし方」を決意してから、いつの間にか30数年が経ちました。
そして「ディック・ブルーナの絵本の世界」と「育児家具」を結ぶことに取り組み、みなさんにいろいろなかたちでご紹介して、今年で調度35年になりました。
あの頃生まれたあかちゃんが、もう成人式を迎えられ、なかには、そろそろお母さんになっておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
長い年月の間には、ブルーナさんを名古屋の料亭にお迎えし、親しく日本料理に舌つづみをうったり、あるいは、遠くオランダのユトレヒトに、ブルーナさんのスタジオを若いスタッフが幾度かお訪ねし、じかにブルーナさんの暖かいお人柄に触れたこともありました。
グランドールはいつの時代にも新鮮さを失わない、ブルーナさんの「宝石のような作品」のこころをくみとった「あかちゃんのためのお部屋づくり」をこれからも提案させていただきたいと願っております。 |
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首都アムステルダムから、汽車に乗って約1時間の所にあるオランダ歴史の町、ユトレヒトがブルーナさんのふるさとです。古い石畳のある静かな町でした。近くに運河が流れ、静かで日当たりがよく、とても居心地のいい、まさにブルーナさんの理想郷という雰囲気の中に、スタジオはありました。
ご自宅がお近くなので、「天気のよい日に石畳を踏みながら、自転車でスタジオまでドライブするのは最高ですよ」とブルーナさん。
私達がスタジオに到着すると、ブルーナさんは、両手をひろげて、ちょっとはにかんだような表情で歓迎してくれました。ブルーナさんの第一印象というのは“びっくりするくらい謙虚な方”で、親しみやすく、飾らなく、あたたかく、本当に絵本そのままの方という印象でした。写真で何度も見ていたその人が出てこられて、笑った顔がとても素敵で、すごく雰囲気があって、きっと誰でもみんな、お目にかかれば好きになると思いました。
ブルーナさんのスタジオには世界中のこどもたちから贈られてきたプレゼント専用の飾り棚があって、手作りの粘土のうさこちゃんや、クレヨンで描いた動物たち、それに絵本の感想やうさこちゃんの絵を書いた手紙やハガキなどかいっぱい大切に飾ってありました。
小さなブルーナファンからのメッセージやプレゼントをとても大切にしておられるのを見て、心が暖まりました。 |
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暖かさを感じさせる黄色や赤。さびしさや、夜、遠くを表現する青。戸外を表現する緑。ブルーなさんの作品は、ほとんどの作品が、この赤、青、黄、緑のわずか4色で表現されています。この4色は、こどもがはじめて色に、はじめて色を理解するための大切な色で、たいへん重要な意味を持っています。
おさないこどもたちは、例えば、淡いブルーやピンク、若草色、クリーム色など複雑な色は区別できませんが、ブルーなさんの絵本に使われているような、単純明解な、赤、青、黄、緑という色を見、判断することにより、頭脳に適度なここちよい刺激をうけながら成長していきます。
このことは成長の過程で重要な意味を持ち、成長後におおきな影響となってあらわれます。
ブルーなさんはのちに、デザイン的な必要性から新しく、ぞうさんやかばさんのための灰色と、子犬のクンクンのための茶色を追加しましたが、この6色をブルーなさんが選んだ理由は「できるだけ基本的な色を使いたい」という気持ちからだそうです。
常に、この色だけを使う事によって読者は作品をひとつのピクトグラム(視角言語)として受け取り、作者との共通のイメージをもつことができるのです。 |
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ブルーナさんの絵の形は、余計なものをすべて取り除き、もうこれ以上省略できない最後の線でつくられています。ブルーナさんは、エッセンスだけが残るまで絵を単純化し、そのシンプルな表現によって、おさないこどもたちが的確にもののかたちを理解できるように、大変な苦労を重ねているのです。エッセンスの凝縮されたブルーナさんの絵は、こどもたちの無限の想像力をよびおこし、こどもたちのこころを豊かにしてくれるのです。世界中のこどもたちに、こんなに親しまれている理由はここにあるのです。
思いっきり簡潔な表現を使って、最小限の手法でいろいろな情緒を表現されるブルーナさんの絵本の世界は、日本の俳句の世界にも通じるものと言えるのではないでしょうか。 |
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うさこちゃんはもちろん、ディックブルーナの絵本の登場人物たちはみな、いつも、まっすぐ前を見ていて、みんなに話しかけてきます。「ちいさなこどもたちは、ふだんの生活の中で、他の人たちが自分を正面から見てくれると、とても安心するし、いつもそうあってほしいと感じているから」というブルーナさんの、こどものこころにたいする思いやりが込められているのです。
目をまっすぐにむけて、こどもたちに直接語りかけてくるので、ひとりで絵本を見ていても、こどもは絵本の中の登場人物たちと、いつのまにか語り合い、こころを通じ合っているのです。そしてなかまたちを思いやるあたたかいこころを育むのです。 |
Illustrations Dick Bruna.(C)copyright Mercis bv,1953-2002 |
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